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イチジク・ブルーベリーに白い綿がついたら要注意|チュウゴクアミガサハゴロモの正体と物理駆除の話

iceage

家庭菜園でイチジクとブルーベリーを育てているのですが、今年もやつらがやってきました。


チュウゴクアミガサハゴロモです。



昨年は白い綿のようなものが枝にくっついているのに気づきながら、最初は何なのかよくわからずに放置してしまいました。気づいたときにはイチジクにもブルーベリーにも大量発生していて、正直かなり慌てました。


今年こそは先手を打つつもりで防虫ネットの隙間をふさいでいたのに、本日幼虫を確認。完全に封じ込めるのがどれほど難しいか、改めて実感しています。今回はその対処の記録と、調べてわかったことをまとめておきます。



📋 この記事の内容

  1. チュウゴクアミガサハゴロモとは何者か

  2. 昨年の失敗:「白い綿」を放置した結果

  3. 冬の対処と、それでも足りなかった理由

  4. 今年の発生と、本日やったこと

  5. 物理的駆除の限界と、大規模栽培への不安

🦟 チュウゴクアミガサハゴロモとは何者か

まず、この虫について知らない方のために簡単にまとめておきます。見た目は蛾に似ていますが、実はカメムシの仲間(カメムシ目ハゴロモ科)です。中国が原産の外来種で、韓国を経由して平成27年(2015年)に日本国内で初めて発生が確認されました。


それ以降、全国で確認事例が急増しており、令和6年(2024年)には国内の農作物への被害が初めて正式に報告されています。ここ茨城でも、令和7年(2025年)5月に県南地域のブルーベリー園での発生が茨城県病害虫防除所により確認されています。


項目

内容

分類

カメムシ目ハゴロモ科(外来種・中国原産)

成虫の体長

11〜16mm。翅は茶褐色〜鉄さび色で、翅の縁に白い斑点がある

幼虫の特徴

白色の体で、腹部から白い繊維状の蝋(ろう)物質の毛束を広げている。背中に小さな黒点がある

生態(年間サイクル)

卵で越冬→4月下旬ごろ孵化→幼虫→成虫(7〜9月)→産卵→越冬。日本国内(大阪府)では年2回発生する例も確認されている

産卵の特徴

直径10mm以下の細い新梢を好み、枝の内部に産卵。産卵後に白い綿状のろう物質で産卵部位を覆う

被害の内容

樹液の吸汁による樹木の衰弱・枝の枯死。排泄物によるすす病の発症

主な被害作物

イチジク・ブルーベリー・ナシ・ウメ・モモ・ブドウ・カキ・カンキツ・オリーブ・キウイフルーツ・茶など広食性

登録農薬

2026年6月現在、本種を対象とした登録農薬はなし

⚠️ 重要:現時点で登録農薬がありません

2026年6月時点で、チュウゴクアミガサハゴロモを対象とした登録農薬は存在しません。農薬登録なしでの使用は農薬取締法に抵触する可能性があるため、化学的防除は現状では行えません。物理的な駆除が基本対策となります。


📝 昨年の失敗:「白い綿」を放置した結果

昨年、イチジクとブルーベリーはどちらも防虫ネット内で栽培していました。それなのにいつの間にか侵入されていて、枝に白いふわふわした綿のようなものがついているのに気づきました。


最初は何なのかわからず、「汚れかな」「菌かな」と思いながら放置してしまいました。これが大きな失敗でした。


あの白い綿の正体は、幼虫が体から出す蝋(ろう)物質と、産卵痕を覆う蝋物質の2種類があります。つまり白い綿を見たときには、すでに幼虫が活動中か、産卵が完了しているサインなのです。


気づいたときには手がつけられないほど大量発生していました。幼虫は驚くと素早くピョンと跳ねて逃げるので、追いかけるのも大変です。

📌 白い綿を見つけたら:2種類の意味がある

  • 幼虫の蝋物質:幼虫が腹部から分泌するろう物質の毛束。幼虫が今まさにそこにいる証拠。

  • 産卵痕の被覆蝋物質:成虫が枝の内部に産卵した後、その上に分泌するろう物質。白い綿の下に枝の中まで産み付けられた卵が並んでいる。

※白い綿状のものを取り除いても、枝内部の卵は残ります。ヘラなどで表面ごと擦り取るか、枝ごと切除することが必要です。


✂️ 冬の対処と、それでも足りなかった理由

昨年の大量発生を受けて、冬にできる限りの対処を行いました。

  • イチジク:強剪定を実施。成長が旺盛なので思い切って切り戻しました。

  • ブルーベリー:白い綿状のものが確認できる枝を徹底的に切除。かなりの量を処分しました。

しかしこれで十分ではありませんでした。理由は2つあります。

ひとつは、産卵痕は見落としやすいこと。白い綿がついていない枝でも、すでに枝の内部に卵が産み付けられている可能性があります。産卵痕を完全に見分けるのは難しく、見落とした卵がそのまま越冬していたようです。


もうひとつは、防虫ネットの完全封鎖の難しさです。今年は隙間をふさぐ対処もしましたが、それでも本日幼虫を確認しました。成虫の飛翔能力は低いとされていますが、わずかな隙間があれば侵入してきます。

🔍 冬の対処でやるべきこと(来年への備え)

  1. 白い綿のある枝は確実に切除し、枝ごと可燃ごみとして処分(焼却が理想)する

  2. 白い綿がない枝でも、産卵痕(枝表面の細かいギザギザ傷)がないか確認する

  3. 綿だけを取り除いても卵は残るため、ヘラなどで枝表面ごと擦り取るか、枝ごと切除する

  4. 防虫ネットの隙間・裾・留め具まわりを丁寧に点検し、わずかな隙間も塞ぐ


🌿 今年の発生と、本日やったこと

今年は防虫ネットを整備して臨んでいたにもかかわらず、本日幼虫を確認しました。

特に青々と成長しているイチジクの新芽付近に大量に群がっていました。柔らかくて汁気の多い新梢が好きなようで、元気に伸びているところほど被害が集中している印象です。

本日の対処は2つです。

  • 群れている新芽部分は剪定を兼ねてカット:どうせ伸びすぎていた部分でもあるので、思い切って切除してゴミ袋へ。

  • 残りはハンディ掃除機で吸引:白い幼虫はピョンと跳ねて逃げるので、掃除機が一番効率的です。吸い取った後は袋ごと密封して処分しました。

これを毎日チェックして、見つけたら即駆除を続けるしかありません。面倒ですが、放置すれば昨年の二の舞です。

✅ 物理的駆除の実践ポイント

  • 幼虫の吸引:ハンディ掃除機が最も効率的。白い幼虫はジャンプして逃げるので、素手や粘着テープより素早く対応できる

  • 成虫の捕殺:水をかけると翅が濡れて動きが鈍くなるため、そこを捕まえるか潰す

  • 産卵枝の切除:白い綿が確認できたら枝ごと切除。可燃ごみで処分(太さ10cm以下・50cm程度に切り分けて束ねる)

  • 毎日の観察:新梢・柔らかい葉の裏・枝の付け根を中心に定期チェックが基本


🌾 物理的駆除の限界と、大規模栽培への不安

家庭菜園規模であれば、毎日チェックしてハンディ掃除機で吸引・剪定という物理的な駆除がそれなりに機能します。数が多くても、こちらの手が届く範囲内の話です。


ただ、これが何十・何百アールという規模の果樹農家さんだったらどうなるのだろう、と考えると正直不安になります。人力での毎日チェックは現実的ではない規模ですし、現時点では登録農薬がない。農薬が使えない状況で、広大な農地に爆発的に増えるこの虫とどう戦うのか。


韓国ではブルーベリーに甚大な被害が出た経緯があり、日本でも今後の被害拡大が強く懸念されています。農水省・植物防疫所も特殊報を相次いで出しており、国として対策を急いでいますが、有効な登録農薬の整備が追いついていないのが現状のようです。

⚠️ 発見・発生情報は自治体・農業センターへ報告を

庭や農地でチュウゴクアミガサハゴロモを確認した場合、お住まいの自治体や農業技術センター・病害虫防除所への情報提供が分布拡大の把握に役立ちます。特に初めて確認された地域の情報は重要です。


📋 まとめ

チュウゴクアミガサハゴロモは、見た目のかわいらしさ(白い綿状の幼虫)に反して、農作物への被害は深刻です。昨年の放置という失敗を繰り返さないよう、今年は早期発見・即駆除を徹底していくつもりです。

📌 チュウゴクアミガサハゴロモ対策まとめ

  • 白い綿=放置禁止:幼虫または産卵痕のサイン。即対処が原則

  • 幼虫はハンディ掃除機で効率よく吸引・処分

  • 産卵枝は冬のうちに切除・焼却(可燃ごみ可)

  • 防虫ネットは隙間ゼロを目標に。それでも完全封鎖は難しいので毎日観察が基本

  • 登録農薬は現在なし(2026年6月時点)。勝手な農薬使用は避ける

  • 新梢・柔らかい葉の裏・成長点付近を毎日チェック

地道な作業ですが、今のところこれしか方法がないので続けるしかありません。同じように困っている方の参考になれば幸いです。


出典・参考資料
・農林水産省 植物防疫所「チュウゴクアミガサハゴロモの解説」
・土浦市公式ホームページ「チュウゴクアミガサハゴロモが全国的に発生しています!」(茨城県病害虫防除所情報)
・群馬県「令和6年度 病害虫発生予察特殊報 第2号(チュウゴクアミガサハゴロモ)」
・埼玉県病害虫防除所「チュウゴクアミガサハゴロモが各地で多発しています」
・多摩市公式ホームページ「チュウゴクアミガサハゴロモについて」


※本記事は個人の観察・体験に基づくものです。防除に関する最新情報は、お住まいの自治体や農業技術センターにご確認ください。

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